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[2003年1月21日:掲載]
新築注文住宅の引渡しを受け約1年前に入居したが、目、鼻、喉がヒリヒリと痛く、頭痛もする。夏は特に症状がひどくとても自宅にいることはできず、時々近くの親戚の家に行っている。工務店と交渉を続けてきたが状況が好転しない。
(40歳代 女性 家事従事者)
アドバイス
最近"シックハウス症候群"と呼ばれるこのような相談が増加しています。(参考:報道発表資料「危害情報からみた最近のシックハウスについて―きっかけは家の新築・リフォーム、家具の購入、シロアリ駆除など―」平成14年12月6日)
厚生労働省は、「住宅の高気密化や化学物質を放散する建材・内装材の使用等により、新築/改築後の住宅やビルにおいて、化学物質による室内空気汚染等により、居住者の様々な体調不良が生じてくる状態が、数多く報告されている。症状が多様で、症状発生の仕組みをはじめ、未解明な部分が多く、また様々な複合要因が考えられることから、シックハウス症候群と呼ばれる」と説明しています。
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症状緩和のためには、専門医の治療を受けながら原因を特定し、これを除去していくことが必要となってきます。相談内容から考えると、新築した住居への入居が原因かとも思われますが、この点も含め専門医の診察を受けることが肝要です。
症状の緩和を行っても、原因を低減・除去しなければ再発することになりますので、自然換気や機械を利用する機械換気によって、室内の汚染物質を低減させましょう。また、住宅の他にも室内を汚染している原因物質がある場合もあります。新たな家具の購入、防虫処理など、体調不良を感じるようになったきっかけを探してみましょう。
シックハウス症候群については、合板、パーティクルボード、壁紙、接着剤等の建材から発生するホルムアルデビドが原因の一つとして挙げられています。
ホルムアルデビドなど14種類の揮発性有機化合物については、後述※するとおり厚生労働省から室内濃度についてガイドラインが示されています。例えば「ホルムアルデヒドについては30分平均で1m3あたり100μg(0.08ppm)以下」となっています。
濃度の測定依頼を受け付けている保健所もありますので、状況を把握するために依頼してみるとよいでしょう。
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ただし、どのような物質の影響を受けるか(頭痛や鼻水の原因となる物質)については、各個人によって異なりますので、やはり専門医の診察を受けることが重要です。
症状の原因が建材にあることが明らかになった場合には、建築業者と相談の上、費用の負担を含め解決策を協議していくことになります。
コメント&解説
自分がどのような物質から影響を受けやすいかなどについて専門医の助言を得ておき、住宅の建築に当たってその物質が使用されることが見込まれる場合は、建築業者との間で放散量の少ない材料の使用あるいは代替材料の使用などについて、事前に十分な打ち合わせが必要です。なお、前述のとおり、どのような物質の影響を受けるかについては、各個人によって変わってくるわけですが、例えば、喘息の持病などがある方やアレルギー体質の方などは、このことに配慮しておくことが肝要です。
「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に基づく「住宅性能表示制度」において、室内空気中のホルムアルデビド、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、スチレンの濃度が住宅性能評価対象となっています。各物質の放散量から建材の等級が評価されていますので、新築・改築時等に利用するのもひとつの方法です。
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また、建物の完了直後は建材などから放散される物質の量が多いので、当分の間は入居せず、この間換気に努め、状況を見ながら入居するという方法もあります。
なお、この評価書の一例は国土交通省のホームページで見ることができますので、参考にしてください。
※厚生労働省の「シックハウス(室内空気汚染)問題に関する検討会 中間報告書(平成14年2月8日)」でホルムアルデビド、トルエン、キシレン、パラジクロベンゼン、エチルベンゼン、スチレン、クロルピリホス、フタル酸ジ-n-ブチル、テトラデカン、フタル酸ジ-2-エチルヘキシル、ダイアジノン、アセトアルデビド、フェノブカルブ、総揮発性有機化合物量について室内濃度指針値が示されていますので、参考にしてください(詳細は厚生労働省のホームページご参照ください)。
また、居室内における化学物質の発散に対する衛生上の措置に関する規制を導入するため、建築基準法改正法案が平成14年7月5日に成立して、平成15年7月1日から施行されます。この改正によって、居室を有する建築物には、クロルピリホスを添加した建築材料の使用が禁止され、また、居室の種類及び換気回数等に応じて、内装仕上げに使用するホルムアルデビドを発散する建築材料の面積制限が行われる等の対策がとられます。
ここに掲載する相談事例は、当時の法令や社会状況に基づき、一つの参考例として掲載するものです。
同じような商品・サービスに関するトラブルであっても、個々の契約等の状況や問題発生の時期などが異なれば、解決内容も違ってきます。
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